2014年09月11日
9月11日の記事
本日は、『相続対策③』についてを、お話させていただきます。
1・遺言
遺産分割がもめそうであると思われる様な時や、次のような特殊事情が有るときは、遺言は必須のものといえるかと思います。
(1)個人事業を承継させたい場合
個人事業を特定の者に継がせる場合には、たとえそれが遺産の大半であっても、事業関連資産はすべて承継者に相続させなければなりません。
そのような場合には、遺言で明白にそれを指示しておくべきでしょう。
(2)夫婦間に子がいないとき
子がいない場合に夫が死亡した場合には、妻が全財産を相続できるわけではありません。
多くの場合、妻は日頃疎遠にしていた夫の兄弟たちと、気苦労の多い遺産分割の折衝をしなければなりません。
これを防ぐには『配偶者に全財産を相続させる』との遺言が一番です。
兄弟達には遺留分がないため、この遺言で一件落着となるのです。
(3)内縁関係にある者
内縁とは、届出をしていない婚姻のことです。
要するに事実上の夫婦なのですが、主義主張その他の特殊事情から婚姻届を出していないのです。
ただしそうであるにしても、民法上は夫婦とは認められないためお互いに相続権はないわけです。
当然万一のことを考え、早いうちから遺言を作成しておくべきでしょう。
(4)亡父の親を扶けている子のない嫁
嫁入り先で夫の親と同居していたところ、子ができないうちに夫が死亡してしまったが、その嫁はそのまま高齢の夫の親を扶けつつ同居している、という話です。
この場合その義親に相続が発生しても、長男の嫁は相続人ではありません。
嫁に子供がいればその子が亡父の代襲相続人として多くを相続できましょうが、このままでは遺産に全く無縁な存在として放り出されかねません。
このような場合は是非とも遺言により、嫁に相応の財産を遺贈させるべきです。さらにいえば、このようなときこそ、その親と嫁が養子縁組をするのです。これで嫁の立場は安泰となるわけです。
(5)法定相続人がいない場合
ご承知のとおり天涯孤独の人が死亡すると、遺産は最終的に国庫に帰属することとなります。
であるならば、生前世話になった人や各種の施設へ遺贈した方が、せっかくの財産を有効に生かせるように思います。
それには遺言あるのみです。
まして老後の今日世話になっている人があれば、その人に遺贈する旨の遺言を作成し、これを見せたうえでその人にこの保管を託しておけば、両者の関係は一層円満なものとなりましょう。
(6)推定相続人の中に行方不明者がいる場合
相続人の中に一人でも行方不明者がいる場合には、すんなり遺産分割協議はできません。
利害関係者が家庭裁判所に不在者財産管理を申請する等、面倒な手続きが必要となります。
このような場合にも遺言は必須となります。
(7)その他
この他、離婚、再婚を繰り返す等により親族関係が複雑である場合、相応の資産を有する人が比較的高齢になってから再婚する場合、さらには子を認知しようとする場合等、遺言は大きな力を発揮します。
一般に日本人は遺言を苦手とするようですが、このように必要と思われる遺言は積極的に行うべきと考えます。
以上、『相続税対策③』についてを、お話させていただきました。
1・遺言
遺産分割がもめそうであると思われる様な時や、次のような特殊事情が有るときは、遺言は必須のものといえるかと思います。
(1)個人事業を承継させたい場合
個人事業を特定の者に継がせる場合には、たとえそれが遺産の大半であっても、事業関連資産はすべて承継者に相続させなければなりません。
そのような場合には、遺言で明白にそれを指示しておくべきでしょう。
(2)夫婦間に子がいないとき
子がいない場合に夫が死亡した場合には、妻が全財産を相続できるわけではありません。
多くの場合、妻は日頃疎遠にしていた夫の兄弟たちと、気苦労の多い遺産分割の折衝をしなければなりません。
これを防ぐには『配偶者に全財産を相続させる』との遺言が一番です。
兄弟達には遺留分がないため、この遺言で一件落着となるのです。
(3)内縁関係にある者
内縁とは、届出をしていない婚姻のことです。
要するに事実上の夫婦なのですが、主義主張その他の特殊事情から婚姻届を出していないのです。
ただしそうであるにしても、民法上は夫婦とは認められないためお互いに相続権はないわけです。
当然万一のことを考え、早いうちから遺言を作成しておくべきでしょう。
(4)亡父の親を扶けている子のない嫁
嫁入り先で夫の親と同居していたところ、子ができないうちに夫が死亡してしまったが、その嫁はそのまま高齢の夫の親を扶けつつ同居している、という話です。
この場合その義親に相続が発生しても、長男の嫁は相続人ではありません。
嫁に子供がいればその子が亡父の代襲相続人として多くを相続できましょうが、このままでは遺産に全く無縁な存在として放り出されかねません。
このような場合は是非とも遺言により、嫁に相応の財産を遺贈させるべきです。さらにいえば、このようなときこそ、その親と嫁が養子縁組をするのです。これで嫁の立場は安泰となるわけです。
(5)法定相続人がいない場合
ご承知のとおり天涯孤独の人が死亡すると、遺産は最終的に国庫に帰属することとなります。
であるならば、生前世話になった人や各種の施設へ遺贈した方が、せっかくの財産を有効に生かせるように思います。
それには遺言あるのみです。
まして老後の今日世話になっている人があれば、その人に遺贈する旨の遺言を作成し、これを見せたうえでその人にこの保管を託しておけば、両者の関係は一層円満なものとなりましょう。
(6)推定相続人の中に行方不明者がいる場合
相続人の中に一人でも行方不明者がいる場合には、すんなり遺産分割協議はできません。
利害関係者が家庭裁判所に不在者財産管理を申請する等、面倒な手続きが必要となります。
このような場合にも遺言は必須となります。
(7)その他
この他、離婚、再婚を繰り返す等により親族関係が複雑である場合、相応の資産を有する人が比較的高齢になってから再婚する場合、さらには子を認知しようとする場合等、遺言は大きな力を発揮します。
一般に日本人は遺言を苦手とするようですが、このように必要と思われる遺言は積極的に行うべきと考えます。
以上、『相続税対策③』についてを、お話させていただきました。
Posted by 荒木財産FP at 09:31│Comments(0)
コメントフォーム