2014年09月23日
備えあれば憂いなし・・・遺産分割協議において配慮すべきこと・・・
本日は、『遺産分割協議において配慮すべき事』について、お話させていただきます。
1.相続人の確定について
遺産分割協議を行う際には、相続人の資格のある人を除外して話を進める結果とならないように、被相続人の戸籍謄本等を取り寄せて(大体15歳以降の身分関係の変動が網羅できそうなもの)きちんと把握することが必要です。場合によっては専門家(弁護士や司法書士等)に検討頂いた方が宜しいかと思います。
仮に、認知された『隠し子』がいれば、戸籍を確認することで判明します。
ただし、戸籍からは、死後認知の訴えが出てくる可能性までは判断がつきません。
共同相続人中に行方不明者や生死不明者などがいる場合には、家庭裁判所に不在者の財産管理人を選任してもらい、財産管理人を関与させて分割を行う方法があります。
2.相続財産(遺産)の範囲並びに評価額の確定
遺産分割の対象となる相続財産を特定できなければ、遺産分割を行う事は困難です。
この点について争いがあり、協議によってその範囲が確定しなければ、家庭裁判所の審判の中で判断するか、又は通常の民事訴訟手続きで争われる事となります。
遺産の評価に関して問題になることが多いのは不動産ですが、協議の段階では何社かの不動産業者の意見を聴いて評価を定め分割協議の話し合いをするのが一般的です。ただし、厳密な評価ということになりますと、不動産鑑定士に鑑定評価してもらうこととなります。
遺産の評価は、遺産分割時を基準に算定するというのが通説・裁判例です。
3.具体的相続分
各相続人の相続分は法定されていますが、遺産分割協議においては相続人全員が合意さえすれば、法定相続分にこだわらず、自由に相続分を決める事ができます。
法定相続分を修正する要素として法文上規定されているものとして、特別受益・寄与分の制度がありますが、協議分割におきましては、あらゆることを、相続分の修正要素として検討の場に持ち出せることとなります。
4.特別な考慮が必要な場合
①農地
農地については、相続によれば非農家でも所有権取得ができますが、農地を細分化してしまいますと農業経営が不可能になってしまう場合が多くなります。
したがいまして、農地につきましては、相続人中農業を承継する者にこれを相続させて農業経営の安定、さらには農業振興を考慮することも必要となります。
②居住用の土地建物
この場合につきましては、現に居住している者の居住利益を考慮する必要があります。
しかし、現実には、都会において居住用の土地や建物が唯一の相続財産である場合、代償分割の方法を採るにしましても住居取得者の負担する債務額が極めて高額となってしまうことや相続税の高額化の問題もあって、これを売却せざるを得ず、居住関係の保護が困難な場合が増えています。
③営業用資産
営業用資産が相続財産である場合、これを分割してしまいますと営業継続ができなくなり使用価値がなくなる事となりますので、できるだけ一体として分割する配慮が必要となります。
④オーナー会社の株式
被相続人がオーナーであった会社の株式の相続については、分割の際に今後の経営支配をどのようにするかを考慮して分割しないと、株主となった相続人間で経営上の意見が一致せず、会社の存続が危うくなるという場合もありますので、特段の配慮が必要となります。
⑤祭祀供用物
現行法上、系譜・祭具及び墳墓等の祭祀供用物は相続とは別個のものとして、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継することとなっています。
以上、『遺産分割協議において配慮すべき事』について、お話させていただきました。
1.相続人の確定について
遺産分割協議を行う際には、相続人の資格のある人を除外して話を進める結果とならないように、被相続人の戸籍謄本等を取り寄せて(大体15歳以降の身分関係の変動が網羅できそうなもの)きちんと把握することが必要です。場合によっては専門家(弁護士や司法書士等)に検討頂いた方が宜しいかと思います。
仮に、認知された『隠し子』がいれば、戸籍を確認することで判明します。
ただし、戸籍からは、死後認知の訴えが出てくる可能性までは判断がつきません。
共同相続人中に行方不明者や生死不明者などがいる場合には、家庭裁判所に不在者の財産管理人を選任してもらい、財産管理人を関与させて分割を行う方法があります。
2.相続財産(遺産)の範囲並びに評価額の確定
遺産分割の対象となる相続財産を特定できなければ、遺産分割を行う事は困難です。
この点について争いがあり、協議によってその範囲が確定しなければ、家庭裁判所の審判の中で判断するか、又は通常の民事訴訟手続きで争われる事となります。
遺産の評価に関して問題になることが多いのは不動産ですが、協議の段階では何社かの不動産業者の意見を聴いて評価を定め分割協議の話し合いをするのが一般的です。ただし、厳密な評価ということになりますと、不動産鑑定士に鑑定評価してもらうこととなります。
遺産の評価は、遺産分割時を基準に算定するというのが通説・裁判例です。
3.具体的相続分
各相続人の相続分は法定されていますが、遺産分割協議においては相続人全員が合意さえすれば、法定相続分にこだわらず、自由に相続分を決める事ができます。
法定相続分を修正する要素として法文上規定されているものとして、特別受益・寄与分の制度がありますが、協議分割におきましては、あらゆることを、相続分の修正要素として検討の場に持ち出せることとなります。
4.特別な考慮が必要な場合
①農地
農地については、相続によれば非農家でも所有権取得ができますが、農地を細分化してしまいますと農業経営が不可能になってしまう場合が多くなります。
したがいまして、農地につきましては、相続人中農業を承継する者にこれを相続させて農業経営の安定、さらには農業振興を考慮することも必要となります。
②居住用の土地建物
この場合につきましては、現に居住している者の居住利益を考慮する必要があります。
しかし、現実には、都会において居住用の土地や建物が唯一の相続財産である場合、代償分割の方法を採るにしましても住居取得者の負担する債務額が極めて高額となってしまうことや相続税の高額化の問題もあって、これを売却せざるを得ず、居住関係の保護が困難な場合が増えています。
③営業用資産
営業用資産が相続財産である場合、これを分割してしまいますと営業継続ができなくなり使用価値がなくなる事となりますので、できるだけ一体として分割する配慮が必要となります。
④オーナー会社の株式
被相続人がオーナーであった会社の株式の相続については、分割の際に今後の経営支配をどのようにするかを考慮して分割しないと、株主となった相続人間で経営上の意見が一致せず、会社の存続が危うくなるという場合もありますので、特段の配慮が必要となります。
⑤祭祀供用物
現行法上、系譜・祭具及び墳墓等の祭祀供用物は相続とは別個のものとして、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継することとなっています。
以上、『遺産分割協議において配慮すべき事』について、お話させていただきました。
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Posted by 荒木財産FP at 08:39│Comments(0)│相続ミニ知識
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