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2014年10月14日
備えあれば憂いなし・・・相続財産の範囲と評価⑩・・・
本日は、『相続財産の範囲と評価⑩』について、お話させていただきます。
1、相続財産の評価方法
①評価の重要性
遺産分割は、総遺産を具体的相続分に応じて分割するものですから、各相続人が分割によって得た遺産を換価すれば、具体的相続分と等しくなってはじめて各相続人の公平が図られます。
このため、全遺産の客観的価値(時価)を把握することが必要となります。
もっとも、当事者間の合意による遺産分割協議におきましては、遺産の評価額を明らかにせず分割することも可能ですし、遺産の客観的価値のみならず、主観的価値をも考慮して遺産の評価を行うことも許されます。
しかし、後日に紛争の余地を残さないためには、分割合意の前提として遺産の客観的価値を明らかにしておくことが必要となります。
また、遺産分割審判事件におきましては、相続分に応じた分割がされていることを明らかにするため、前提問題として、遺産の客観的価値を認定することが不可欠であり、これを怠った審判は違法となる裁判例があります。
②評価の資料
評価額につきまして当事者間に争いがあるような場合や、専門的知識、経験を有する者以外には算定が困難な場合は、不動産鑑定士(土地)や公認会計士(非上場会社の株式等の価額や営業権)等に鑑定してもらうことが原則となります。
この費用は、家事審判規則11条によりますと、家事審判、調停の証拠調べの費用は国庫の立て替えが原則とされていますが、実務の現状では、鑑定費用を含めて家事事件の手続費用は、当事者の予納が原則的になっていますので、鑑定費用を予納することが必要となります。
なお、固定資産税評価額、相続税評価額、地価公示価格、都道府県内地価調査価格に一定の倍率を乗じる方法によって、土地の時価を算定する便法もありますが、大雑把な目安としてはともかく客観性に乏しくなります。
したがいまして、当事者が上記の評価方法に合意している場合におきまして、遺産のほとんどが土地であり、現物分割するとしましても、調整金の授受が全く不要になるような場合には、このような便法によって評価することも可能であると思われます。
③評価の具体例
ⅰ.不動産
不動産の正式な鑑定におきましては、不動産の再調達原価について減価修正を行って価格を決める原価法、多数の取引事例から事情補正及び時点修正をし、かつ地域要因の比較や個別的要因の比較を行って価格を求める比較法、不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の原価の総和を算出し、還元利回りで還元して価格を求める収益法の3方式があります。
この3方式を併用することによりまして、初めて、不動産の適正な価格を算定することが可能になるといわれています。
なお、調停において家庭裁判所調査官の調査結果を主として不動産の時価認定の資料とすることもあります。
その土地の評価方法を要約すれば、まず不動産を確定したうえで、東京都宅地建物取引業界発行の『東京都地価図都市計画図』(大阪府の場合は、大阪府宅地建物取引業協会発行『大阪府宅地価格地点図』)によって近接類似の基準地を選定し、その基準値の実勢価格を把握し、宅地条件の比較をし、画地条件による補正、時点による修正をして更地価格を算出します。
その後、権利関係による補正を行います。
すなわち、比較法によって評価しています。また、建物については原価方式によって、評価しています。
ⅱ.株式
上場株式は、取引相場が明らかであり、分割時に最も近接した時点での取引価格、あるいは近接の一定期間の平均額によって算定します。
非上場株式の場合は、商法上の株式買取請求における価格の算定や相続税賦課のための税務署の評価方法を参考としています。
前者は
①純資産評価方式、
②収益還元方式、
③配当還元方式、
④類似業種批准方式があるとされていますが、実務では、会社の実態に応じて各方式を組み合わせて評価しています。
後者は、当該相続人が同族株主以外の株主になる場合は相続した株式を配当還元方式で評価し、相続人が同族株主となる場合は会社を大中小と分け、それに応じて定められた各評価方式によるものです。
いずれの方法によるにせよ、取引や経理についての相当高度な知識経験がなければ的確な評価をすることは困難であり、専門家の鑑定が必要とされる場合が多いようです。
以上、『相続財産の範囲と評価⑩』について、お話させていただきました。
荒木不動産コンサルティングFP事務所は、相続対策やライフプランの作成、生命保険の見直し、住宅取得や住宅ローン等のご相談の他、土地活用や不動産売却等の不動産コンサルティングのご相談も承っております。
ご相談希望のかたは、まずは、メールか電話でご連絡ください。
初回は、無料で、ご相談内容の概要をお聞かせいただきます。
無料相談後に、その後のご相談内容やご提案内容、お見積金額についてお話させていただきます。
その業務内容とお見積金額でご検討いただき、ご納得いただけましたら業務委託契約書を締結させていただきます。
業務委託契約後締結前に、費用は発生しませんので、ご安心ください。
相続支援業務につきましては、『相続支援ネット』に所属し『つくばエリア』を担当しています。
『相続支援ネット』とは相続の各専門家(税理士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士)とコワーク(協働)を組み、お客様が的確な相続を実現するためのアドバイスと支援をご提供する相続専門家集団です。
また、不動産の売買や不動産活用につきましては、船井財産コンサルタンツ東京銀座在職中に培った財産コンサルタントの経験を活かしながら不動産コンサルティングマスターとしてお客様重視の提案や対策実行をさせていただいております。
なお、生命保険コンサルティングにつきましては、『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービシーズ』に生命保険募集人として所属しています。
『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービーシーズ』は、FPとしての視点で、事業承継継対策や財務体質改善、相続対策、ライフプランにおける保険の見直し等、あらゆる問題解決のための保険活用のご提案をさせていただいております。
そのFPの視点の経験を活かした生命保険活用のコンサルティングをご提供させていただきます。
そして住宅取得につきましては、三菱地所ホーム㈱での20年間に及ぶ住宅営業の経験とFPの知識を活かして、土地探しから建設会社の選定、間取りやお見積りの内容の相談、さらには家計チェックに基づく新規住宅ローンやアパートローン並びにその借換えのご相談まで承っております。
電話:029-851-6334 メール:info@arakifp.com HP:http://www.arakifp.com/(相続支援あらき)
1、相続財産の評価方法
①評価の重要性
遺産分割は、総遺産を具体的相続分に応じて分割するものですから、各相続人が分割によって得た遺産を換価すれば、具体的相続分と等しくなってはじめて各相続人の公平が図られます。
このため、全遺産の客観的価値(時価)を把握することが必要となります。
もっとも、当事者間の合意による遺産分割協議におきましては、遺産の評価額を明らかにせず分割することも可能ですし、遺産の客観的価値のみならず、主観的価値をも考慮して遺産の評価を行うことも許されます。
しかし、後日に紛争の余地を残さないためには、分割合意の前提として遺産の客観的価値を明らかにしておくことが必要となります。
また、遺産分割審判事件におきましては、相続分に応じた分割がされていることを明らかにするため、前提問題として、遺産の客観的価値を認定することが不可欠であり、これを怠った審判は違法となる裁判例があります。
②評価の資料
評価額につきまして当事者間に争いがあるような場合や、専門的知識、経験を有する者以外には算定が困難な場合は、不動産鑑定士(土地)や公認会計士(非上場会社の株式等の価額や営業権)等に鑑定してもらうことが原則となります。
この費用は、家事審判規則11条によりますと、家事審判、調停の証拠調べの費用は国庫の立て替えが原則とされていますが、実務の現状では、鑑定費用を含めて家事事件の手続費用は、当事者の予納が原則的になっていますので、鑑定費用を予納することが必要となります。
なお、固定資産税評価額、相続税評価額、地価公示価格、都道府県内地価調査価格に一定の倍率を乗じる方法によって、土地の時価を算定する便法もありますが、大雑把な目安としてはともかく客観性に乏しくなります。
したがいまして、当事者が上記の評価方法に合意している場合におきまして、遺産のほとんどが土地であり、現物分割するとしましても、調整金の授受が全く不要になるような場合には、このような便法によって評価することも可能であると思われます。
③評価の具体例
ⅰ.不動産
不動産の正式な鑑定におきましては、不動産の再調達原価について減価修正を行って価格を決める原価法、多数の取引事例から事情補正及び時点修正をし、かつ地域要因の比較や個別的要因の比較を行って価格を求める比較法、不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の原価の総和を算出し、還元利回りで還元して価格を求める収益法の3方式があります。
この3方式を併用することによりまして、初めて、不動産の適正な価格を算定することが可能になるといわれています。
なお、調停において家庭裁判所調査官の調査結果を主として不動産の時価認定の資料とすることもあります。
その土地の評価方法を要約すれば、まず不動産を確定したうえで、東京都宅地建物取引業界発行の『東京都地価図都市計画図』(大阪府の場合は、大阪府宅地建物取引業協会発行『大阪府宅地価格地点図』)によって近接類似の基準地を選定し、その基準値の実勢価格を把握し、宅地条件の比較をし、画地条件による補正、時点による修正をして更地価格を算出します。
その後、権利関係による補正を行います。
すなわち、比較法によって評価しています。また、建物については原価方式によって、評価しています。
ⅱ.株式
上場株式は、取引相場が明らかであり、分割時に最も近接した時点での取引価格、あるいは近接の一定期間の平均額によって算定します。
非上場株式の場合は、商法上の株式買取請求における価格の算定や相続税賦課のための税務署の評価方法を参考としています。
前者は
①純資産評価方式、
②収益還元方式、
③配当還元方式、
④類似業種批准方式があるとされていますが、実務では、会社の実態に応じて各方式を組み合わせて評価しています。
後者は、当該相続人が同族株主以外の株主になる場合は相続した株式を配当還元方式で評価し、相続人が同族株主となる場合は会社を大中小と分け、それに応じて定められた各評価方式によるものです。
いずれの方法によるにせよ、取引や経理についての相当高度な知識経験がなければ的確な評価をすることは困難であり、専門家の鑑定が必要とされる場合が多いようです。
以上、『相続財産の範囲と評価⑩』について、お話させていただきました。
荒木不動産コンサルティングFP事務所は、相続対策やライフプランの作成、生命保険の見直し、住宅取得や住宅ローン等のご相談の他、土地活用や不動産売却等の不動産コンサルティングのご相談も承っております。
ご相談希望のかたは、まずは、メールか電話でご連絡ください。
初回は、無料で、ご相談内容の概要をお聞かせいただきます。
無料相談後に、その後のご相談内容やご提案内容、お見積金額についてお話させていただきます。
その業務内容とお見積金額でご検討いただき、ご納得いただけましたら業務委託契約書を締結させていただきます。
業務委託契約後締結前に、費用は発生しませんので、ご安心ください。
相続支援業務につきましては、『相続支援ネット』に所属し『つくばエリア』を担当しています。
『相続支援ネット』とは相続の各専門家(税理士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士)とコワーク(協働)を組み、お客様が的確な相続を実現するためのアドバイスと支援をご提供する相続専門家集団です。
また、不動産の売買や不動産活用につきましては、船井財産コンサルタンツ東京銀座在職中に培った財産コンサルタントの経験を活かしながら不動産コンサルティングマスターとしてお客様重視の提案や対策実行をさせていただいております。
なお、生命保険コンサルティングにつきましては、『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービシーズ』に生命保険募集人として所属しています。
『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービーシーズ』は、FPとしての視点で、事業承継継対策や財務体質改善、相続対策、ライフプランにおける保険の見直し等、あらゆる問題解決のための保険活用のご提案をさせていただいております。
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